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浪花の華 最終回「明日の華」
…ふぅ…終わっちゃったなぁ。予想通り泣いてしまった; ラストシーンで泣いちゃうのはまぁ仕方ないかと思ってたんだけど、序盤、章たちが囚われていた牢の錠を壊して傷ついた左近殿の手をとってじっと見つめ、引き寄せてギュッと抱きしめる章が…!「頼むから無茶しないでくれ… 左近殿が傷つくのを見るのは、もうたくさんだ」「それは無理だ。…私は無茶をするのが勤めだからな」章っ…左近殿も…、顔は煤で汚れて髪も乱れているのに、焔を受けて照柿色に染まる、なんと綺麗な、そしてなんと切ない!!!「お前の勤めは…これだ。他は全て忘れろ」と炎の中、拾い出してきた手鋸を差し出す左近殿。他はって、それ左近殿のこともなんだよね…;震える手で手鋸を受け取り、足早に去っていく左近殿を為す術なく見遣る章の表情ったら! そして旅立ちのときがきて、天游先生たちに挨拶するとこでも危うくもらい泣き;若狭も餞別に饅頭くれたり許婚の件を「そんな話もあった…だが決まってるわけじゃない」って言ったり「達者でな、緒方章」って爽やかにのたまったり、なんなん?章を認めてくれてるってことー?うう…ううぅ…。 ラストシーン、ふたたび「日ノ本一の医者になれ」と餞の言葉をくれた左近殿を前にして「俺は大阪が大好きだ」「いつか必ず大阪に戻ってくる」と力強く言いながら、「だから…だから…」と一番言いたいことは言えず口ごもる章にクスリとしながら「お前は日ノ本一 …はっきりしない男だ。でも…お前と会えて、おもろかった」ここで出会いから今までの二人の映像が流れるんだけど、章の面構えの変化が…すごい。順撮りではあろうけども、短い撮影期間に緒方章という人物の成長をしっかりと演じ切った窪田さんに、ただただ感嘆です!そして、去り行く左近殿の後ろ姿に今度こそ声をかける。「左近殿!俺は忘れないぞ!」その声が届いて足を止めた左近殿の頬を伝う一滴。美し過ぎる物語の終わりでありました。