ありふれた奇跡
うまいことまとめるな〜これが熟練の技か…!という最終回でした。加奈さんが赤ちゃんをあずかったことは、血の繋がりがなくても赤ちゃんを愛せるという実感を二人に与え、その後、藤本の張り合いとなる母子との出会いをも呼んだ。まさしく天(=脚本家)の配剤ということか。 疲れて眠り込んだ加奈の唇にそっと触れて、その指を自分の唇に当てる翔太がロマンチスト過ぎてもう!もう!といえば育児書と翔太の組み合わせに妙に萌えた…。我ながらどんな嗜好ですか? 一気に走り出した二人の気持ちを、追い掛けるようにかみ合いだす両方の家族が面白い。もともと共通の趣味でつながってる父親同士が意気投合したのはもちろん、歯に衣着せぬ物言いの翔太の母につられるように己の素を出して受け答えする加奈さんの母、という母親同士も良い感じ。最後の難関と思われた翔太の祖父も神戸さんの件で本気の本気で意見した翔太の変化の仕方に、どん底だった頃の自分の常識に自分自身が縛られていたことに気付いて、翔太の母親を除く両家の人間が集まっての大団円となった。翔太の祖父のツンデレっぷりに泣かされます。「それでも俺は、用心なんかするなと言いたい。心配の種なんか、いくらでもある。数えるな、と言いたい。乗り越えられる、と。以上!」 ラストシーンは、第1話で藤本が所在なげに独り座っていた河川敷のベンチに、加奈さんに赤ちゃんをあずけた母と赤ちゃんと3人で座って、笑顔でピースのサイン「オレ…ひとりじゃないよ」 エンドロールでそれぞれのその後を淡々と…と思いきや、おお!神戸さんは妻子を呼び寄せて翔太祖父と暮らし始めるのかな?…って、父親たちが女装で闊歩してんの新橋駅前じゃね?大丈夫なのかしら、サラリーマンの街で。 そして翔太は左官屋さん、加奈さんはクッキングライブを地道に続けているようだ。あー!二人の関係がちょっとは進展してますように。そんな日々を描きながら…。